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その頃、王様は手紙を読んでいた。
【信愛なる父上
父上、元気でしょうか。
無理をしていませんか?
まだ慣れない環境ではありますが、僕も妹も元気に過ごしております。
友達も出来、授業も面白くて充実しています。
やはり闇は広まっているんでしょうか。
この幸せな日々を壊したくはありませんが、闇とは対決しなくてはならない。
複雑な心境です。
闇について何か分かればお知らせください。
体に気をつけて元気で。
ライト】
ライトからの手紙を読み、王様は嬉しく思いながらも複雑な思いだ。
「ライト‥‥あまり無理をするでないぞ?
神よ、どうかライトとヒカリに守護を――…」
ただ祈ることしか出来ない自分が腹立たしい。
「闇か‥‥
ふむ、調べてみる価値はあるようじゃな」
様々な場所で魔物が暴れていると聞く。
「王、お呼びですか?」
「あぁ。闇についてどんな小さな情報でも構わん。
調べて来るのじゃ」
「闇‥‥ですか?」
「魔物が暴れている理由も分かるやかもしれん」
「…分かりました」
「はい。了解しました」
何もしないで待っていることは出来ず、自分が出来る限りのことをしてあげようと思った。
数年も時間を共に過ごしていたライトとヒカリはまるで我が子のような大切な存在になっていた――…
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