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報告書以外に写真が数枚入っていた。
森の状況を知るにはこれが一番良いだろう。
『…かなり悪化してるな。魔獣も凶暴化か。
随分と厄介になるまで放っておいたようだな』
ライトはため息をつき、報告書を鞄に入れた。
『ヒカリ、そろそろ教室に戻りなさい』
「うん」
ヒカリが教室から出るとライトは厄介になりそうな仕事に憂鬱になる。
「ライト、なにため息なんかついてんだよ」
「幸せが逃げるぞ(笑)」
『…おまえみたいに気楽になりたいな』
「俺だっていつも気楽じゃないんだからな!
悩みくらい――」
『あるのか?』
「い、今はないけど…」
「ずっとだろ」
「いつも気楽だね」
「う゛」
ライトは苦笑いを溢しながら校庭に移動する。
ヒカリが言っていた合同授業なのだ。
「あっ、説明してなかったよな」
『ガイが説明してくれたから大丈夫だ』
「そ、そうか…」
『ありがとな』
「いや、いいんだ」
「詳しいことは先生が話してくれるさ」
「そうだな」
校庭に着くとヒカリの姿を見つけ、友達らしき女の子と楽しそうに話していて、それを見てライトは安心した。
ヒカリにもちゃんと友達が出来たのかライトは心配だったのだ。
(…これで安心だな。
ちゃんとクラスでもやっていけてるみたいだな。
まぁ、注目されてるのは同じみたいだけど‥‥)
ライトは当主なので尚更、注目を浴びている。
チャイムが鳴るのと同時に黒のローブを着てる先生が姿を見せる。
「おはようございます。
授業を始める前に授業の説明をしたいと思います」
授業内容の説明が行われた。
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