♥の苦悩

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 果歩は瞳を閉じて、隼人の唇に、自ら唇を重ねる。  一瞬ためらいつつも、隼人は熱い唇を押しつけてきた。  肉厚で乾いた隼人の唇が、果歩の唇を吸う。その湿った感触を味わうかのように。  隼人の左手が、ピタリと果歩の首筋を捉える。その手がだんだんとあがっていき、果歩の頬を包む。  瞳を開くと、隼人の今宵の月のような満ち足りた表情があった。  「果歩を俺が守る」  「俺は何処へも行かない」  隼人はささやき、今度は自分からキスをした。
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