♣は四つ葉に

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 翌朝、鼻先をくすぐるものがあって、隼人の目が覚めた。  見慣れない部屋の景色。果歩の部屋だからだ。  隼人のほうに向いて素肌に綿シャツをはおった果歩が横たわっている。  ふわりとした柔らかい果歩の髪が隼人の鼻をくすぐったらしい。  (果歩の寝顔、マジ可愛い)  シャツの間から華奢な首筋と白い膨らみ。  隼人の身体に震えが走る。  (眠気ぶっ飛んだ)  そっと果歩の胸元に触れてみる。男としての色欲が湧いてきた。  隼人は果歩を組み付したい欲求に駆られる。  「おはよう」  小さなあくびすら、可愛い。  正直、昨日はキスを果歩に拒否されると思った。  慎の登場に心穏やかでいられず、迫ってしまったのだ。
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