♦の選択

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 沼田が自分の体験を話す。  「僕は、昔、兄を突然失った」  亜美が初めて聞く話だ。  「悪いけど……三番目の案件をしたいなら僕は手伝わない。僕ならば不可能だと思うから」  (知らなかった)  まだ亜美の知らない沼田の姿をもっと知りたい。  亜美は同情くらいしかできない。でも好きだから、もっと頼ってほしいと思う。  「分かりました、第2案件でいきますから手伝ってください」  沼田と一緒にいる時間をまず増やし、もっと沼田のことを知る機会を増やす。  まず沼田と仲良くなる。  それが沼田と付き合いたい亜美にとっては大事な事だった。  亜美は沼田への下心を胸に、第3案件をシュレッダーで刻んだ。
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