♥台風♠

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 実は9月11日に会ってから、慎から連絡があった。  「また連絡する」という言葉を信じていなかったから、メールがあったときは素直にうれしかった。  果歩は慎とメールのやり取りを続けていた。  兄を小学生のときに失ったという慎の事を思うと胸が痛む。  慎の兄は果歩にとっても大事な存在、恋人だった。東京に出てきて初めての頼れる男性。  慎と果歩は別々のところで大事な人と時間を過ごし、その人を同時に失った。  同志のような想いが生まれてきている。  (わたしたちは、同じ人に育まれてきた)  隼人が恋人になったからには、陵の事を考えるのは終わりにしなければ。  そう思えば思うほど、慎と話したくなる。  慎が知っている陵の姿を聞きたくなる。
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