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しゃがみこむようにして、風を避けながら携帯を開く。
メールが2件入っていた。
1件は隼人の「大丈夫?」メール。
2件目は慎だった。
「今、ジョイにいます。びしょぬれです、気をつけて来てください」
(来てください)
慎が、びしょぬれ。びしょぬれになって果歩を待っていてくれている。
(ごめんね、隼人)
大丈夫のメールよりも、果歩には「待っている」メールのほうがうれしかった。
今、必要としてくれる人がいる。
それは自分にはどうしようも出来ない台風の暴風に向かうエネルギーとなる。
果歩は暴風と突風に足元をさらわれそうになりつつ進んだ。
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