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ドリンクバーの注文を取って、店員がさがってから慎は話し始めた。
「実はこの間、話せなかったことなんだけど」
「---はい?」
「えっと、そうだな」
慎が意地悪っぽく笑う。口の端っこが凹んだ笑顔に、果歩も笑みがこぼれる。
「なんですか?」
「ーーー花井さん、付き合っている人いる?」
果歩はまた顔が赤くなる。
と、突然すぎる。
「……います」
ためらった自分の心に果歩は気づく。
慎に隼人のことを彼氏として話したくない気持ちがある。
(この人が気になるから)
確認してしまって、また頬が熱くなる。
「突然こんなこと訊いちゃってごめんなさい、でも」
再びためらう慎をまともに見ることが出来ない。
果歩は洗面に行くと言って席を立った。
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