台風②

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 ドリンクバーの注文を取って、店員がさがってから慎は話し始めた。  「実はこの間、話せなかったことなんだけど」  「---はい?」  「えっと、そうだな」  慎が意地悪っぽく笑う。口の端っこが凹んだ笑顔に、果歩も笑みがこぼれる。  「なんですか?」  「ーーー花井さん、付き合っている人いる?」  果歩はまた顔が赤くなる。    と、突然すぎる。  「……います」  ためらった自分の心に果歩は気づく。  慎に隼人のことを彼氏として話したくない気持ちがある。  (この人が気になるから)  確認してしまって、また頬が熱くなる。  「突然こんなこと訊いちゃってごめんなさい、でも」  再びためらう慎をまともに見ることが出来ない。  果歩は洗面に行くと言って席を立った。
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