♥激怒♠

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 果歩は凍りつく。  燃え上がる血流が一気に冷めていく。  頭の中でココンと音がして、気がつくとジョイの窓に頭をもたれかけていた。  「10年も時間があったよ?」  かすれた声。冷房でひんやりと冷たいガラスの感覚が、頬に心地よい。  熱くなってバカだ、恥ずかしい、大人にならないと、そんな気配りはもう出来なかった。  「10年も時間をいただいた上に、時間をくださいなんて」  慎が頭をテーブルに深く突き刺すかのように押し付けた。  「どうか」  まだ濡れたシャツ、髪の毛も乾いていない、そんな姿で。  「……もう少し時間をください」
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