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「電車が止まってしまって、そっちに行くのに時間がかかる。大丈夫か?」
(メールの返事、まだだった)
彼女失格だ。果歩はすぐにメールを返す。
「はやと、大丈夫だよ。無理しないで」
そんな果歩の姿を見て慎が呟いた。
「ケイタイってデータバンクですよね」
「は?」
(また唐突に……)
「携帯がないと、その人のことを知ることが出来ないよなって」
(そりゃそうでしょう)
何が言いたいの?と目で問う。
「花井さんは、兄がまだ好きだからその着信音なんですか?」
逆に問われてしまった……。
「兄も同じメール着信音でしたから」
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