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果歩は一緒に同じ着信音にしたことを思い出す。
懐かしくて、10年の時間を一気に巻き戻したことで、また怒りに火がついた。
「どうしても言わないなら、陵くんのこと調べるよ」
慎の名刺を見ながら思いついたことがあった。
「調査を沼田さんの会社に依頼してもいい?」
慎の表情が一瞬かたくなる。
(ほら、言いなさいよ)
「……」
しかし沈黙の後。
慎はふてぶてしくも
「どうぞ」
と答えたのだった……。
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