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相手はうろたえて
「それは……お世話になりました」
と礼を述べる。
「今日はどのようなご用件ですか?……兄は具合が悪いものですから」
「陵くん、あ、いえ」
果歩はあわてていた。いつも呼んでいた呼び方が出てしまう。
「陵さんは具合が悪いんですか?」
「……」
考えるような沈黙。
重い沈黙のあと、相手は口を開いた。
「失礼ですが、この番号をどこから知られたんですか」
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