0♥

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 思ったよりも若くて元気そうに見える。  10年の時間が経っても陵の面影はあって、ほっとする。違う点も多いけれども、時間がたっているのだから。  果歩の心にあたたかいものが流れてくる。  (ああ、陵くん……)  鼻がつんと痛くなって、うつむいてしまう。  感傷にひたっていたら『陵くん』は頭を下げた。 「すみません」    それは遠慮がちで、果歩にとって違和感がある動作だ。 (え?) 果歩は男性の下げた頭を見つめるしかない。 (どういうこと?) 「陵じゃないです、僕」
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