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そこへ社長が急ぎ足でオフィスに入ってきた。
「おつかれさまです」
「おう、ごくろうさん」
難しい顔をしながら入ってくるなり、社長は自分でコーヒーを入れた。
(それにしても社長、険しい表情だな)
浜崎や沢森とクライアントの話で盛り上がりながらも、社長のことが気になる。
社長はメモを取り出し、考え込んでいたが、しばらくして慎を呼んだ。
「沼田、ちょっと」
「なにかあったんですか」
「うむ……花井さんという女性を知っているかね」
(花井…果歩さんのことをなぜ、社長が)
もしかして。
果歩は慎の会社に本当に連絡をしてきたのだろうか。
「他のもんは外してくれるか」
社長のきりっとした有無を言わさない言葉に、沢森をはじめ皆がオフィスを出る。
「あいつ何やったの?」
沢森がひそひそと他の者に尋ねている。
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