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隼人は友達以上恋人未満という存在だ。
「急ぎ?すぐ返さないと」
「大丈夫」
果歩の言葉は力ない。
隼人は「イラち」だから、本当は早くメールの返信を返したほうがいい。
でも今は、涙を止めるのが先。
涙を拭って軽く頬をたたく。女の気合を入れる。
(よし)
ハンカチをバックにしまって、果歩は立ち上がった。
慎が果歩を見つめている。
「あの…」
何か言いたそうだ。
果歩はそれを遮(サエギ)るように、頭を下げた。
「これで失礼します」
「あ、待って」
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