-20♥

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「出ようか」  大笑いしてしまったこともあり、慎と果歩は店を出る。夕暮れどきだ。  慎が携帯を取り出す。  スマートフォンだ。 「社に戻らないと」  黒いスマホで慎は電車の時刻を確認する。 「花井さんはどうしますか」  (花井さんか~)  果歩は何だかくすぐったい。かゆくなってくる。 「花井さん?」  覗き込む慎の瞳。  (もう少しいたいな)  どうしてだろう……。  あれ?  果歩は慎の瞳から逃げたくなる。  慎から目をそらして、果歩はさっさと歩きだした。
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