-15♥

2/9

45人が本棚に入れています
本棚に追加
/298ページ
 (動かない……)  果歩のお尻が痛くなってくる。座席が硬くて腰がつらい。  (本当に)  (混んでるなあ)  夕方の道玄坂は、やっぱりとても混んでいる。  果歩と慎は並んでタクシーの後部座席に座るのみ。  「せっかくですから、ゆっくりしましょう」  スマホを操作しながら、慎がポツリと話しだす。  「あ、これ」  果歩は握りしめていた陵の携帯を差し出した。  「じつは興味あるんじゃないですか?」  また慎が意地悪な顔をする。  (やなやつ)  でも、懐かしい感覚がまた沸き上がってくる。
/298ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加