-15♥

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 「じゃ、僕はここで」  「じゃあ、ね」  少し離れて立つと、慎の背丈も陵くんと同じくらいかな。  でも何より、慎の瞳。  一重だけれど、ちょっぴり黒目がちだから、優しげに見える。  果歩は慎に見惚れてしまう。細いわりにしっかり広い背中を見送ってしまった。  「あ、そうだ、花井さん」  踵(キビス)を返して渋谷駅へ向かっていた慎が、果歩のほうに戻って来る。  (戻ってきて、うれしいかも)  なんて思う自分に、とまどう果歩。  「メール、また送っていいですか?」  「『陵くんメール』はやめてね」  「了解です。赤外線通信で僕のアドレス送るんで、携帯かしてください」
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