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夏。
2人で花火をした。
線香花火を長くもたせる競争をした。
手をかざして、小さな線香花火の火を守る。
少しずつ膨らんで、落ちそうに垂れてくる火種(ヒダネ)。
突然、陵が果歩の肩をこずいて、ズルい勝ち方をした。
あの時、ひどいって叩いたら、目を細めて陵は笑ったね。
薄暗い灯りの中に浮かぶ陵の笑顔。
(りょうくん)
(あたしは、忘れてないよ)
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