+5♥

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 (たまに陵くんムカつく事してたけど)  意地悪な陵を思い出して感傷を落ち着かせる。  「いじわる?」  思わず、果歩はつぶやいてしまった。  果歩の脳裏に慎が浮かんだ。  (イヤイヤ)  別人だから。  (弟だから似てるんだって)  電車のアナウンスが池袋駅到着を告げている。  (危ない、あぶない)    ボンヤリしていると降りそこねる。扉の前に移動した。  すると、ぐでんぐでんの酔っ払いが電車の扉近くに座り込んでいた。  「姉ちゃん」  果歩が、無視して降りようとしたら  「泣いとるんか?」  浅黒い顔が果歩を見上げた。汚れた顔で、目は虚ろで死んでいる。  吐きそうになって、電車を降りた。駅のトイレはまた混んでいる。鏡の前に立って、メイクを直す。  「電車おりたよ」  「ケンタにいる」  隼人の返信はまた早かった。
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