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 「社長、わたし……」  社長は沼田と亜美を交互に見て、亜美に顔を向ける。  「辞めるかどうかは、外の仕事をしてみてから決めても、いいんじゃないか」  意味ありげに沼田と亜美を見て、社長は笑った。  沼田は顎(あご)を撫でながら社長にたずねる。  「僕ひとりじゃないと出来ない仕事もあるんですが」  「どの仕事に浜崎さんと行くかは、沼田の判断に任せるよ」  沼田は首をかしげて、社長の指示を聞いている。  「浜崎さんを連れて行ける案件であれば、同行してもらって」  「分かりました」  亜美は沼田の表情をうかがう。その表情からは何も読み取れない。
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