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今宵の月は満ちている。満月が空高く昇る頃。
果歩と隼人は池袋のカラオケ店に入った。
2人はルームに入るなり、荷物を投げ出す。
完全にリラックスモード。手際(テギワ)よく、店員に料理を頼む。
「隼人の好きな唐揚げ頼むから、サラダ注文していい?」
美容に気を遣う果歩には、サラダは欠かせない。
「適当に好きな食べ物、頼みな。俺はジンジャエールね」
言いながら、隼人は予約のリモコンを離さない。
歌うのは専(モッパ)ら隼人だ。
ボクシングをしていた頃、食事制限のうさをカラオケで晴らしていた。
だから隼人は歌のレパートリーが多い。
「さぁ歌うぜ!」
曲のイントロが流れて、隼人は勢いよく立ち上がった。
(ノリノリだな)
曲のサビのところで、店員が飲み物を運んできても、ひるまず堂々と歌いあげる。
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