♥の苦悩

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 (すご…)  腹式呼吸が出来ているからだろう、隼人の歌声は高低共によく伸びる。  媚(コ)びることなく、高らかに素直に勇人は歌い上げた。  果歩は運ばれてきたサラダをつつきながら、隼人の声に聴き入る。  一通りお気に入りの歌を歌った隼人は、ドサリと合皮のソファーに身を預けた。  「果歩も歌えよ」  マイクを向けられて、果歩は困ってしまう。  「いい声してんだから、歌ってみろよ」
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