♥の苦悩

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 「ずっと言いたかったことで、果歩は気づいてるだろ」  隼人は自分のリンネルのシャツで果歩の頭を包み込む。  「俺は果歩と付き合いたい。それくらい好きだ」  (知ってるよ)  果歩は心の奥で、知っているが故に、ずっとうめき続けてきた。  (隼人が何を望んでいるか、分かってた)  あたしは、狡猾(コウカツ)でズルいんだ。  隼人がそれを言わないで居てくれたなら。  ずっと、隼人にこうして甘えられるって。  (そうやって逃げてきた)  隼人の想いにプレッシャーをかけていた。  友達か恋人か、  選ばさないで、と。
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