いまあじゅ Ⅲ

イノセンス－Ａ

　
世間知らずで。自由と我が儘を履き違えてることにすら気づけない、自分中心、身勝手以外の何者でもない、そんな、不完全で矛盾だらけの自尊心を守らんが為に為される、加減を知らない攻撃。

反射的に振り上げた拳を下ろす勇気が、ないから。
ゴメンナサイを言ったら負けだ、と思ってるから。

だって、仕方がないじゃないか。

自分を無条件に受け入れて貰えることが当たり前の世界しか、あの子は教えられてないんだもの。
拒否されるなんて、これっぽっちも想像してなかったんだよ。

知らないから、考えられやしないのだもの……。