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・・・ その時、時間がとまる。 受験生も試験監督も道を歩いている犬も、道路を走る車も…。 全てが静止する。 が、1人だけ皆が静止している中、動きだす。試験監督に声をかけられた少年だ。 少年は座席を立ち、受験生の回答を覗きはじめた。 「ふ~ん。こんなものか。」 そう言って自分の回答用紙に写し始める。写し終わると少年は席へ戻る。少年が座った瞬間、全てが動きだした。 少年は、何もなかったように試験監督に答える。 「あ?あぁ、もう終わってるんで。ヒマですし」 試験監督がチラッと少年の回答用紙を覗くと、少年が言ったとおり全部の問題の答えがうまっている。 試験監督は驚きながらも「そうか…」と言って教室を歩き始めた。
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