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ー城東埼玉高校 校門
城東埼玉高校は駅から離れており、電車を使っている生徒はスクールバスを利用していた。
今日は入試のため、受験者用のスクールバスが出ている。
少年も電車で来ていたので、そのスクールバスを待っていた。
「山下ぁ~」
少年は山下と呼ばれた。
後ろを振り向くと、小柄でショートカットのいかにも中学生と思うほどの少女がいた。
「何、桜」
少女の名前は『桜』という。
「一緒に帰ろっ。家近いんだし」
山下は桜に向かって軽くうなずくと、ウォークマンをダウンジャケットの右ポケットから取り出し、音楽を聴き始めた。その山下の態度に少しムッとする。
「ちょっと!一緒に帰るんだから音楽とか聴かないでよ!」
山下はそれをムシする。
大音量で聴いているため、声が聞こえないのだろう。桜はこれに激動する。
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