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しばらくすると、夕方になってきた。 「おい、本当にこっちなのか?えらく長くないか?」 山下は女子に言ったつもりだったが、女子達はペチャクチャ話して山下を無視している。 「おい!!こっちでいいのかって聞いてんの!!」 山下の声が大きくなり、女子達が気付く。 「はぁ?私達に言われても困るんだけど。ねぇ?」 もう1人の女子も「ねぇ?」と言う。 「お前らに着いてきたから言ってんだけど…。…あれ?ってか、桜いなくね?」 周りを見ると桜がいない。その状況に女子達がイラつく。 「はぁ?ふざけんなよ!!これって私達のせいになんじゃね?」 山下は「桜の心配をまずしろよ」と言わんばかりの顔をしている。 「オレが探してくるから。お前らは先に下行ってろよ。田口なら道わかんだろ」 「う、うん」 そう言って山下は来た道を戻って行った。小5の山下に何時間も探し続けられる体力があるはずもなく。それは山下も分かっていた。 それでも山下は桜を探し続けた。 探し始めてから1時間くらいたち、林の中を探していると、「…たす…けて…」とかすかだが桜の声が聞こえた。
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