クリスマスキャロル

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クリスマスキャロル

日本で私のコンサートがひらかれることになった 大学の先生も喜んでくれた なにより理緒さんが喜んでくれた そして私は約束通り、沢田さんにチケットを郵送した ところがそのチケットが戻ってきた 私は数年ぶりにあのビルに行ってみた そこにはあのビルはなく、飲食店のビルが建っていた 沢田さんはどこにいってしまったんだろう… 私はとぼとぼと理緒さんの店に向かった 『きっとどこかで聞いてるよ。来てくれるんじゃないかな』 冷たいアイスコーヒーを飲みながら、私は彼を心配した 9月、私のコンサートの日がやってきた 師匠も来てくれてる とんでもない緊張感で何度もおでこの汗を拭いた 幕が上がる! 私の時間が始まる!
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