埃及砂原の章

39/39
40425人が本棚に入れています
本棚に追加
/411ページ
【長門家、歴代当主図鑑③】 十三代目当主 長門 常(ながと つね) ・自身を「おいら」と呼ぶ十三代目当主。その才覚は「探求」。 江戸時代、徳川との大博打を行った十二代目当主によって長門家は大破産してしまう。 ちなみに、そのときした博打は『三日以内に富士が噴火するか否か』というもので、十二代目は火薬を使い、富士を噴火させようとまでした、と現代まで残されていた。 しかし、その実は当時起きた江戸四大飢饉に、長門の財を寄付をしたための破産、というもの。 それを茶化した他名家によって、誤った形で伝承した。 常は生来、臆病で心優しき女児であったが、反面好奇心が旺盛で自由を望んでいた。 家の破綻を機に、お遍路という形で日本各地を旅することにしたが、経験のために長崎で乗った船が難破し、命からがら、現在の上海周辺にたどり着く。 そこから紆余曲折し、当時のエジプトまで旅をすることになった。 普段は臆病な少年を思わせるが、旅のなかで、逆境に強い美丈夫の一面も見せ、勇気の当主という異名も持つ。 秘境の果てに、巨大なダイアモンド、ゴールデンジュビリーJr(本作の第一部『奇少物件100LDK』参照)を発見。 そのダイアモンドを足がかりに、長門家の復興を促した。 その後、当時の長門家の屋敷、遺泡城(いほうじょう)にて、印象に残った砂漠を模した間、埃及砂原(えじぷとさはら)を建設する。  
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!