戦場羅間の章

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【長門家、歴代当主図鑑②】 六代目当主 長門 立(ながと たつる) ・自身を「我輩」と呼ぶ六代目当主。その才覚は「武勇」。 1500年代の日本、いわゆる戦国時代に生き、女性でありながら戦場で数々の武勇を上げる。 鬼の面は箔がつくのと、女性であることを隠すため。 当時の女性にしては特異なほどの高身長で、5尺6寸(約170センチメートル)。 一見、男と間違えるほどの出で立ちと怪力の持ち主。 息子を切望していた五代目の意向と、単純に豪勢な食事を与えられていたことから類稀な体格と武勇の才覚が開花した、とされる見解が強い。 当時、立は女の侍であることとその戦果から地域武将の反感や嫉妬を買い、その活躍のほとんどを後の夫や男の家臣に譲っている。 結果、多くの武将に、彼女に恩を返す動きがあり、立は財と家督を維持させた。 よって、その才覚の本質は武勇というより人徳に近い。 当時の長門の屋敷は、戦場天下(せんじょうてんげ)と呼ばれていた。 初代長門の働きにより、長門家は国外の情報を多く保有し、立はローマのコロッセオの存在を知る。 立は戦場天下にて、僅かな資料をもとに、円形の競技場コロッセオを再現した。 その間は戦場羅馬(せんじょうろーま)と呼ばれ、彼女の猛り狂う血を静める場所とされた。  
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