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「はぁ、はぁ、」
小高い坂を全速力で登っている俺。
俺が全速力で走っている理由は、あいつとの約束に遅れそうになってるから。
土曜日の午後1時、駅の坂を真っ直ぐ行くと、交差点に出る。
「はぁ、はぁ………ついた。」
人混みを掻き分けて約束の場所に行く。
時計を見ると1時30分ぴったり。
「あれ、あいつ遅いな。」
いつもなら俺より早く着いてるはずなのに今日に限ってまだいない。
どうしたんだろう、とかもしかして事故?とか色々考えてる内に5分が過ぎた。
「うん、電話しよう」
そう決断し慣れた手つきで携帯にかける。
プルルルル、プルルルル……
「ん…?」
聞き慣れたメロディーが近くで鳴っている。
…つまりは入れ違いになったって事だと俺は悟った。
少し減った人混みの隙間から見えたのは携帯を手にして出ようとしてるあいつ。
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