信長、偉くなる

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「殿…。如何致しましょう…」 「如何致しましょうってお前も俺宛の手紙読んじゃってどうする気なのか聞きたいとこだけどお濃が人間とは思えない目で睨んでるからやめておこう」 「如何致しましょう馬鹿殿」 「お前お濃を味方につけたからって何でも言いたい放題だと思うなよ」 「で、どうするのよ?」 「うーん。そうだな…。取り敢えず様子見だな。信長……この局は見(ケン)にまわる…ッ!」 「様子見ってより何したらいいか分からないんでしょ?あと特定の知識を必要とするネタは感心しないわね」 「お濃正解」 「はぁ…クズ野郎ね…。猿、身元がはっきりしている者をこのクズの護衛に用意して」 「御意」 信長が鬼嫁に罵倒されていたその時。 タンッ! 信長の顔のすぐ横に矢が刺さった。 「ぎ、ぎゃああああああ!!!」 「チッ。殿、大丈夫ですか!」 「な、なんとか…。あとお前今チッって言ったよな。半角にしても聞こえたからな」 「そんなことよりあなた、それ文が付いてるわよ」 「あ、ほんとだ。矢文だこれぇ。えーっと…?」 「……」 「…………」 「………………」 「……ねえまだ読まないの?」 「達筆過ぎてわかんね」 「…猿、私の弓を持ってきなさい」 「御意」 「御意じゃねーよ。殺る気だろ?お前ら殺る気だろ?」 「もういいから貸しなさい!」 濃姫は信長から文を奪うと急いで目を通した。 「なんて?なんて書いてあったの?迷惑メール?」 「し、斯波義統公自害…ですって…?」 「なんですと!?」 「え、誰それ」 「信友公によるものでしょうね…。しかし妙ですね。そう易々とやられるはずもないのと思うのですが…」 「…義銀が川狩りに出掛けた隙を狙われたそうよ」 「ねえねえ何の話?」 「そう…ですか…。しかし考えようによっては…」 「そうね。信友を討つ大義が出来たわね…」 「ねえねえ野球盤やろ?魔球禁止ルールで」 ―その後、落ち延びてきた義銀を迎えた信長は叔父である信光と協力し、主君である義統を殺した信友を謀反人として討ち取る。 そして名実共に織田氏頭領となった。
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