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【佐野サイド/夢】
サノ「此処は・・・?」
ペテン「こんにちは、佐野君」
サノ「だ・・・れだっ・・・」
ペテン「そんなに怖がらないで?私は害を及ぼす存在ではないわ」
サノ「誰だ!!」
ペテン「ふふ・・・。私は夢の道化師、貴方に素敵なプレゼントを持って来たの」
サノ「はあ?何ふざけてんだよ!」
ペテン「此処は貴方の夢の入口。貴方の夢の世界に繋がっているの」
サノ「俺の夢?」
ペテン「貴方、自分が見たいなあって思った夢、その日のうちに見たことある?」
サノ「あるわけねーだろ、夢なんか決められねえ!」
ペテン「私は夢の道化師。貴方の好きな夢を見せてあげる」
サノ「なに言って!?」
ペテン「貴方はこの夢の主人公で、監督で、演出」
「シナリオも出演者も、何もかもが貴方の思いのまま」
サノ「俺の・・・」
ペテン「さあ、貴方が見たかった夢は何?」
サノ「俺が・・・見たかった夢・・・」
ペテン「頭の中に自由に描いて、その扉を開けてごらんなさい?」
サノ「俺は・・・俺はっ!!」
【激しい歓声が聞こえる】
サノ「此処は・・・今度の大会の会場・・・?」
監督「佐野」
サノ「か、監督!!?なんでこんなところに!?」
監督「何を言ってるんだお前は。緊張して記憶でも飛んだか?」
「まあ、無理もないな、お前にとっては初めての大会だからな」
サノ「初めての・・・大会・・・、俺、選手?!」
監督「佐野」
サノ「は、はい!」
監督「しっかり、走って来い」
サノ「はい!!」
アナ「続きまして、3000m障害、男子」
佐野「俺、走れるんだ・・・」
審判「位置について・・・よーい・・・」
【パーン!!】
サノ「俺は誰よりも速いんだ!優勝してやる!!」
【パーン!!】
ペテン「ふふふ・・・いい夢を・・・♪」
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