初任務

5/19
前へ
/39ページ
次へ
玲side ギルソニーニでは、副隊長、隊長達が和風の大きな部屋で昼飯をとっている 管理職の三番隊隊長の片品隊長が一人用のどえらい椅子、テーブルに座り、他の隊長達は繋がっている長いテーブルにすわる。 『にゃはは!なー名取(なと)、今日は仕事あったか?』 『ありますよ。さっきも言った筈ですが今日は「詩歌」の総長と取引です』 副隊長は隊長の横に座る、主に世話がかりだ 因みに今喋った方は十番隊隊長鋭奴吉良(えいどきら)と副長の名取(なと)である そして他の隊子達は他の部屋で畳の上に座って食べている 『玲さん、また考え事ですか?そんな難しい顔して』 あははっと宗は誰もが吸いつけられるような無邪気な笑みで私の隣に座る 珍しいないつもは溺粋している局長に寄っていくのに あ、たまに片品隊長をからかいにもいくが… 『今日、局長出張なんですよねー』 読まれたよ! 『ていうかそれなら自分の席座ればいいだろ。』 『なんか沢山わいてくるから嫌です。それより、あの子の事どう思います?』 わいてくる、というのは女中たちだろう… 普通なら男なら喜ぶ筈なのだが、宗はどうも嫌らしい あの子ってイズルってやつのことか? 『どうって言われてもな…』 『まあ…いいです。それでは僕は見廻りに行ってきます』 『えっ、おい!』 私の言葉も聞かずに手がつけられていない昼食を残して、ヒラヒラっと後ろ向きに手をふると宗は部屋を出ていってしまった 『どうも、宗はさっきから様子がおかしいな…』 玲はそう一人事をいうと黙々と昼食を食べ始めた―
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加