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『さぁさ!!!出発しんこーだあ!』
昼過ぎ、ギルソの門の前で幼稚園の遠足の合図のような言葉が発さられた
もちろん声の発信源はイズルである
イズルの後ろには一番隊の隊子達が、初対面だったのでイズル隊長について様々な思いを巡らせていた
『隊長、これが隊長か…』
『あんな若いのに隊長とは…!』
『きっと素晴らしい才能の持ち主なんだろうなあ』
『おい、お前ら。遊びじゃないのだ。気を引き締めろ。』
『『しっ失礼しました!』』
仕事ができそうな強面男が隊士に注意をした
隊士達はイズルをコネの隊長だとは知らされていない
ただし、今隊子を注意した強面男だけには片品隊長が直々に伝えられている
監視役として
強面男がテンションが高いイズルの前にいき胸に片手をあて、軽く頭を下げた
『隊長。副隊長の木等市二夜(きらしにや)と申します。何か困った事があれば私に申し付け下さい。』
イズルはそれを無表情で見て、顔を傾げる
『きら…にや?』
『きらしにやです。隊長』
『オッケイ牧場。』
『……』
木等市二夜副隊長は古いと感じていたが口にする事は立場的に出来ないため口をつぐむ
『……』
少女はその瞳で副隊長を凝視していた
首を傾げたまま、表情一つ変えず
副隊長は少女の視線が刺さり冷や汗がでてきそうだ
ダダダダッ
するとギルソ建物の方からもの凄い足音が
『イ~ズ~ル!』
ズザザザ
足音がイズルの傍で止まる
『忘れもんだぜ?…って何してんだ?』
『永住見八(えいしゅうみはち)隊長。』
永住見八(えいしゅうみはち)
七番隊隊長―活発で元気な足音の犯人
『なんでイズル顔傾げてんだ?』
『……。イズル隊長、永住隊長がお呼びになってます』
ずっと動かなかったイズルに声を掛けると、イズルは振り返ってさっきとは別の方向に首を傾げた
『誰?』
『お前変な奴だな~!ほら、これ忘れもんだぜ。』
そう言うと永住隊長はイズルにあの機械を差し出した
『あっ。このやろ~盗んだのか?』
『え!?違うって!部屋に落ちてたから渡しとけって片品隊長に言われたんだよ!あ、片品隊長、なぜかお怒りだったぜ?』
『はっ。だめだろ~?怒らせちゃ~』
『俺じゃ…『お前だろが!!!』
突然入ってきた声にイズルは顔を歪める
いかにも嫌そうに
『片品隊長!?なんでここに?』
永住隊長が驚いたように片品隊長に顔を向ける
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