第2弾 黒猫のconvoy

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「大切に育ててもらいましたよ? お祖父様には感謝してます」 「別に無理しなくていいぞ?」 「あ、はい。それにしてもこのアイスクリームは美味しいですね」 日本ならクー〇ッシュと〇ウのバニラばっかだが、アメリカとかイギリスならハーゲン〇ッツだよな。 「あの黒瀬さん、お願いが―」 「―イヴ!」 一瞬だけ殺気を感じ、イヴをこっちに引き寄せる。 その直後に丁度、イヴの心臓があった位置に弾丸が飛んできた。 即座に危険を察知し、射たれてきた弾丸を拾い上げイヴを建物内に連れていく。 「ハァッ、ハァッ、黒瀬さん今のは……」 「ああ、完全に……狙われてるな」 これは……9×39mm SP-6か。 VSSという狙撃銃の専用弾丸。 もうひとつ、専用で9×39mmのSP-5というのもあるが今はそれは関係ない。 VSSの主な特徴は、作動機構をガス圧利用式にすることでボルトを回転させ、銃身とロックするターン・ロッキングが組み込まれている。 20連マガジンを付ければフルオート射撃も可能で今挙げた2種類の弾丸を使うことにより、完全消音することができ暗殺するには優秀な代物だ。 前世から拳銃オタクだったからこのくらいのことは雑作もない。あんなところに通学してるんだ。 それより、SP-6か…… 本気どころか、やり過ぎだな。こりゃ。 たしか、SP-6は徹甲弾。 カタログ上の有効射程は400mだが、500mくらいでも厚さ6mmのスチール板を貫く威力だ。 簡単に言うと、通常のライフル弾を凌ぐ威力を持つ完全消音の狙撃銃。 厄介なことこの上ない。 「さて……何でかは知らんが、このショッピングセンターに人気は無し。 逃走するにもあっちはフルオート射撃が可能かもしれない高威力の狙撃銃。マズイな……」 「今日、ここはお休みなんです」 「よく知ってるな」 「いえ、書いてあります」 貼り紙が俺がぶち破ったガラス戸にあるが、読めん。 「よし、取り敢えずはここの地図を探すぞ」 「なんでですか?」 「逃げ切るには足が必要だからな。バイクとかが欲しい」 「地図は後ろにありますよ」 「バイクが置いてありそうなとこはあるか?」 「……ありました!6階です」 今は1階。エレベーターは休みだから使えない。 階段で行くしかないな。 「行くぞイヴ。手は絶対離すな」 「は、はい!」 左手で何故か顔が赤いイヴと手を繋ぎ、右手に念のためハーディスを持つ 。
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