第2弾 黒猫のconvoy

4/18
1307人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
「黒瀬さん、次はあそこです!」 「あ、あぁ……今行く」 イヴと外出し始めてから、約2時間が経過した。 まさか女の子の買い物ってのがこんなに長いものだとはな……… 「速く速く!」 俺の気も知らずに、イヴははしゃぎながら言ってくる。 何故こんなはしゃいでるかというと、いつもSPが3人付きだったそうで、普通の外出は始めてのようだ。 「なぁ、イヴ」 「はい? なんですか?」 「そろそろ飯にしないか?」 時刻を見ると、既に1時半。 お昼時とは言えないがいい時間帯だ。 「そうですね!では行き着けの店に連絡を―」 「―はい、ストーップ」 イヴの言葉を遮り、携帯を取る。 「く、黒瀬さん?なにを?」 「お前が行き着けの店なんて、超豪華に決まってる。ここら辺のファーストフード店にするぞ」 イヴは金、持ってないらしいしな。 さっきから服とか靴とかいろいろ買ってるが、"全部"!俺持ち。流石に消え失せる。 「ファースト……フード…… 朝食の最近の言い方かなにかですか?」 「まさかとは思うが、ハンバーガーとか食べたことないのか?」 「ハンバーガーならありますよ。 やっぱりプロの人に目の前で焼いてもらうのが一番です!」 駄目だ……金銭感覚以前に世間知らずだコイツ。 よく考えれば、分かることじゃないか。 さっきだって1ドル札を見たとき、 「いつの時代のお金ですか!?」とか言ってたし、 1ドル札はだいたいがチップだって教えたら「チップは100ドル札からじゃないんですか!?」だったしな。 「どうしたんですか黒瀬さん?」 「いや、何でもない。それよりも行くか」 「はい!」 * あれからすぐ先にあったバ〇ガーキ〇グに行き、適当に頼んだんだが…… イヴの奴、手で食べるとか自分で頼みに行くとかの一般常識を目の当たりにして驚愕していた。 そして今は公園のベンチでハーゲンダッツのアイスクリームを食べてるんだが、今度は舐めるというのに驚愕していた。 ホント、忙しい奴だよな。 「えっと……? これは何て言うものでしたっけ?」 「アイスクリームだ。これで6回目だぞ。 いい加減に覚えろ」 「あははは…すみません」 「ったく、お前はどんな生活してきたんだよ……」 すんごい過保護だということは判明したがな。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!