第2弾 黒猫のconvoy

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あれからは不思議なことに、何もなく今はもう6階に着き少し休憩中だ。 「おかしい……」 「え? なにがです?」 「ここまで無事にこれたことがだよ」 「もう諦めたとかは……ありませんよね」 「それは無いと言い切れるな」 でなければ、VSSでしかもSPー6なんて使う訳がない。 「………そういえば、変な音が聞こえませんか?」 「変な音?」 意識を集中させ、周囲に耳を傾ける ブロロロロロ。 とても小さいが、外……窓ガラスのほうから聞こえてくる何かの音。 ブロロロロロロロロロロロロロロ! 大きくなっていく音。それにしても……この音、何処かで聞いたことあるな。 それも、結構最近に…… まさか…… 「ヘリか!? チッ、誘い込まれた!」 「誘い込まれた?どういうこと――」 「――後で説明するからこっちこい!」 イヴの言葉を遮り、そのまま階段のほうへ連れていく。 あと3m程で到達する、その時― 右にある窓ガラスにヘリが映り、搭載されているミサイルが放たれる。 轟音が響き、炎が部屋に広がるがギリギリのところで階段の陰へつき、身を隠す。 「今のは……」 「ああ、ミサイルだ……」 一瞬しか見えなかったが、4枚のメインローターとテールローターをX字型に重ねた形態をしていた。 あの特殊な形に、ミサイルが搭載されているヘリはAH64ーアパッチ。 ということは、今射たれたミサイルはヘルファイアか。 あれはたしか対戦車用のものだぞ…… そんな物騒なものを、こんな人目の集まるところで射つのか? イヴをそれほどまでに殺したい? ヘリは無理矢理、こちらの部屋に入ってきた。 「おいおい、中に入ってくんのかよ!?」 「後ろにバイクが倒れてますよ!」 流石は二次元…… 切り抜けられない状況はできないってか? そう考えながら、イヴを引っ張りバイクの元へ向かう。 「乗るぞイヴ! 掴まれ!」 「は、はい!」 なんか、その返事多い気がするんだが。 とにかく今はそんなことどうでもいい。 まだ死にたくないからな 。
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