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9月も終盤、やっと少し涼しい風が吹きだした夜道。
俺、神納 璃仁(かのう りひと)は星の瞬く空を仰ぎながら歩いていた。
今日はいつもより遅くなった。
大学生の『優秀な神納くん』は、講師たちからの人気が高い。
得意なことは猫を被ること。
営業スマイルが板についてます。
結果として、雑用という名のお願いを聞くはめにはなる。
見返りは…
単位。
まぁ、今のところ何も問題はないが、多少足りなくともなんとかなる。
将来家を継ぐことが決まっている俺は必要な単位を稼ぐため、日々まじめに通学中。
もっとも大卒の称号なんてものは、うちを継ぐにはあまり必要のないものなのだが。
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