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「…オイ、何やってんだよ?」
怒気が込められた声は、普段より低くなる。
「「「…ッ」」」
不意に混ざった声の方へ3人が揃って首を向ける。
時間なんて与えない。
一番近い男を殴り飛ばす。
衝撃でそいつの持っていたスマホが別の男の足元に飛んでいく。
足元にきたスマホを拾おうとしゃがんだ男を2、3発殴りつけたところで、女の子が自由になっていることに気がついた。
「…っ」
青ざめたその子と目があった。
「すぐ終わるから待ってろ。ちゃんと、助けてやるから。」
声をかけて距離を開ける。
残っていた男が殴りかかってきた。
この程度のスピードなら問題ない。
避けてカウンター。
右手で頬を殴り、続けざまに鳩尾へ膝蹴りを入れた。
一方的にやられた男達は逃げていく。
追いかけて完全に潰してもよかったのだが、女の子のことも気になるので今回は放置。
…そういえば泣いてないんだな。
つか、助けてくれって一度も聞かなかったような。
なんとなくそんな事を考えながら側へ向かう。
女の子は浅い呼吸を繰り返しながら、小さく震えていた。
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