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『ちょ、どこまでいくんだよ!』
引っ張られるがままについた場所は、
海だった。
『ねぇ、君、名前、何?』
『・・・・・タケル。』
『タケル?何タケル?』
『谷川。』
『ふーん。』
彼女は僕を見て一言呟くと靴を脱いだ。
『まさか、海にはいるのか!?』
『タケルは海見て入りたいって思わないの?』
『だって、制服濡れちゃうじゃん。』
『なんか考えが女子みたい。つまんない人だね(笑)』
笑われた。
つまんないことぐらい知ってる。
なんだか無性にムカムカして僕まで海に入りたくなった。
『タケル、何かに縛られたらつまんないと思わないの?』
僕は靴を脱いだ。
『うぉーー!』
何年ぶりだろうか。
僕は子供みたいに海ではしゃいだ。
彼女もまた同じように子供のようにはしゃいでいた。
殻が破れた気がした。
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