*-2

1/1
前へ
/5ページ
次へ

*-2

晴れたその日。 僕の秘密を知られてしまった。 昼休み。 僕の一番の楽しみ。 本来であればみんなでわいわい昼食をとるのだが、 僕はちがう。 僕は一人で屋上にいく。 広い屋上で一人、そこに寝そべる。 それか何よりも好きだった。 そのことは誰も知らない。 なのに、 なのに、 お客がきてしまった。 『タケル?』 そう、 転校生だ。 『・・・・・・。』 寝たふりをする。 お願いだ、帰ってくれ。 僕のすべてに首を突っ込むな。 お願いだから、 本当に。 前を見ると彼女はフェンスの前に立っていた。 『あ、危ないぞ!早く降りろ!』 『ほら、やっぱり何かに縛られてる。』 『え?』 『ねぇ?ここからの景色、きれいだよ。町全体が見下ろせて、まるで自分の物になったみたい。』 『でも、落ちたら死ぬぞ!?』 まさか、自殺するんじゃないんだろうな? 僕は慌てた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加