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場所は変わって首相官邸。
こちらもやはり起きたばかりの総理大臣が電話を取っていた。
「やはりか。
ああ。
分かった。
それでは切るぞ」
増渕はそういうと静かに受話器を置いた。
増渕が話していたのは外務省からだ。
たった今、中華人民共和国・北部朝鮮共和国・ロシア連邦を主体とするアジア解放連合諸国5ヵ国から戦線布告を受けたのだ。
勿論戦線布告を受けたのは日本だけではない。
韓国・アメリカ・イギリス・フランスである。
増渕は受話器を一旦置くとまた受話器を取り、秘書に内線電話をかけた
「危機管理センターに向かう。
すぐに車・・嫌、ヘリを出してくれ」
そういうと執務室に向かった。
ワイシャツは既にきている。
夕べの内にシャワーを浴び、すぐさま出発できるようにはなっていた。
戦線布告したのはつい数分前なのに何故ここまで用意が出来たのか?
それは今日が8月15日であるからだ。
戦争を始める時には自国の士気が上がっている方が良いし、また出来れば敵国民の士気を下げたい。
そこで終戦記念時を使うと予想されたのだ。
日本国内では終戦記念日には反戦ムードが高まる一方、中国国内では「日本から独立した日」として士気が上がるのだ。
故に8月15日には警戒してきたのだ。
ワイシャツの上にかけてあったスーツを着て、ノートパソコンの前に立った。
やはりメールが来ている。
防衛省からだ。
内容をヘリのなかで確認しようと思い、増渕はPCをビジネスバッグの中に入れるとすぐさま執務室を出た。
ちなみに、この様にちょくちょくPCを持ち歩いたりしているので、マスコミではよく「サラリーマン総理」と呼ばれることがある。
すぐさま官邸前の池の水が抜かれ、そこからヘリポートが表れた。
遠くからヘリのエンジン音が轟く……。
そして、うっすらと明るんだ空から一機のヘリが舞い降りた。
すぐさま秘書を連れて乗り込む。
増渕の乗った政府専用機は、1分も着陸しないうちに機体はまた薄闇に消えていった。
その後も増渕はPCを立ち上げて、届いたメールの内容を確認していた。
防衛省からの緊急報告が何件もあり、それは今もなを続いている。
アメリカの軍事衛星からのミサイル基地の現状報告や、中国艦隊の動き。
その他もろもろの行動が完結に、簡略化して書かれている。
それらを読み終わった時、緊急用の携帯が鳴り響いた。
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