プロローグ

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そして、丁度その頃に警察に手を回し芸能界でスキャンダルを発覚させた為、「右翼総理」の名は人々から消えていった。 それから3年と2ヶ月。 増渕はあれこれ必死に働いた。 そして、今日が訪れたのだ。 タンカーが幾つも停泊してある港の向こうを見る。 真夏の太陽が東京を血に染める時刻になった。 いつもと変わらぬ町。 いつもと変わらぬ朝。 いつもとは違う日本。 矛盾なのだろうか? いや、矛盾はしていない。 何故なら 今、ここにそれが実在するからだ。 機体は徐々に高度を落とし始めた。 ピリリ ピリリ ピリリ 携帯電話の着信音が機内に響く。 秘書が鞄から携帯を取り出すと渡してきた。 「前原官房長官からお電話です」 静かな口調だ。 「あぁ」 そう言うと直ぐ様電話に出る。 「私だ」 その時、北朝鮮工作員が放った地対空誘導弾が、増渕の乗っているヘリに命中した。
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