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「さっき来てくれた女の人なんだけど……
もし旦那さんと一緒なら、ここまで旦那さんを連れて来てくれないかって伝えてくれないかな。
旦那さんが来られないようなら、せめて薬だけでも作って渡したいんだ」
お鈴ちゃんは少し耳を傾けていたが、呆れたようにため息をついた。
「蘇芳ちゃんなあ、お人好しも大概にしとかんと損こくで。
少しぐらい冷淡にならんと長生きできへんよ。
ただでさえ、この前の阨祓いで霊力消耗しとるんやろ。
拝みに来るもんの言うことハイハイ聞いとったら、身が保たへん」
鋭い。
幼く愛らしい外見とは裏腹に、お鈴ちゃんは私などよりよっぽど世渡り上手だ。
童女に諭されるのも、何だか情けないが……
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