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「それにな、ヒトなんて現金なもんやで。
自分らの余裕がある時は手ぇ合わせとるけど、ちょっとシャバが栄えたら、すぐ調子こいて信仰なんて忘れとる。
ウチらは人間の召使いちゃうんやで。
やることやったら、後は知らん顔しとればええんよ」
そして世知辛い。
「で、でもあの人泣いてたし、御供えも頂いたし……」
「辻神はガキの使いやあらへん。
蜜柑ぐらいで何ゆうとるねん」
正論すぎて、ぐうの音も出ない。
お鈴ちゃんの視線が尖ってゆく。
さっきまで橘を頬張っていた無邪気な童女の面影などとっくに消えていた。
まるで出来の悪い子どもを叱るような、大人の目だ。
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