32人が本棚に入れています
本棚に追加
周りには、人、人、人。
それも、ただの一般人ではなく、恐らく抜け忍。
身のこなしから見るに、多分中忍クラス。
『行商人の護衛』Dランクから、『護衛兼、抜け忍との戦闘』Bランクへと変わった瞬間だった。
「あああもー、なんでこーゆー勘は当たるかなー!」
「文句言える余裕があればだいじょーぶ。っと、サスケとサクラは護衛に回って」
「は、はい!」
「ああ」
クナイを一閃し、大声で自分の勘を歎くナルト。見事な膝蹴りを敵の鳩尾にぶち込んだカカシは、依頼人達を庇いながら飄々と言った。
「そりゃ勘は鋭い方がいいけどさぁ!オレの人生、ランクが途中で変わる任務が何回もあったんだってばよ!」
「あらあら」
「だーもう!お前らマジうぜぇ!先生!一気に片付けていい!?」
「や、もちろんいいけど」
「影分身の術!」
ボボボン、とナルトが10人に分散する。そのうち5人の右手には、圧縮されたチャクラの塊が。
「螺旋丸!!」
イライラとストレスの螺旋丸をモロに喰らった抜け忍達は、成す術もなく、空の彼方へ消え去った。
「いやぁ、ナルトも随分と強くなったねー」
「おう!エロ仙人に修行つけてもらったり、色々あったからな」
一瞬。ほんの一瞬だけ、悲しげな表情をしたナルトに、カカシ以外は気付かなかった。
END
最初のコメントを投稿しよう!