1.ブロローグ。

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ドクドク―… 左手から血が流れている。 紛れもない、僕の血だ。 薄暗い部屋の中で、壁に背をもたれ、ずるずると座り込む。心拍数は異常な程上がり、肩で息をするのを止めようと躍起になったが、逆効果だった。 思ったよりも血は勢いよく溢れ出ているみたいだ。 ああ、ちょっとこれは困る。 気を失ってしまうじゃないか。 薄れる意識にいながらも、他人事のように暢気に考える。 だって、僕はやったんだ。 僕にだって、できるんだ。 これで、やっと―… .
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