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ドクドク―…
左手から血が流れている。
紛れもない、僕の血だ。
薄暗い部屋の中で、壁に背をもたれ、ずるずると座り込む。心拍数は異常な程上がり、肩で息をするのを止めようと躍起になったが、逆効果だった。
思ったよりも血は勢いよく溢れ出ているみたいだ。
ああ、ちょっとこれは困る。
気を失ってしまうじゃないか。
薄れる意識にいながらも、他人事のように暢気に考える。
だって、僕はやったんだ。
僕にだって、できるんだ。
これで、やっと―…
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