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「厳密にはスライムではありませんが、まぁ、だいたいスライムです。ちょっと用事があるので、私が戻るまでちょっと見ててもらえますか?」
「良いよー」
紫髪に紫の目にメガネをかけた、ウェーブのかかったセミロングの女の子が答える。
「それじゃあ、レミアさん、お願いします」
「任せてー」
その返事を聞くと、先輩は教室を出て行ってしまった。
後には僕と、先輩のクラスメイト達が取り残される。
「触っても平気かなー?」
先程のレミア……先輩が、ウズウズした様子で僕を指差している。
「触ったら噛むッスよ」
本当はそんな気は無いけど、あんまりベタベタ触られたく無いから、そう言ってみる。
「しゃべったー!」
ガシッ、とレミア先輩は僕を掴んだ。
そしてそのまま、むにむにと引っ張りだした。
「な、なにするッスか!」
別に痛くは無いけど、なんだかくすぐったかった。
「何処まで伸びるかなー?」
みにょーん、と僕を腕が足りるだけ引っ張る。
僕は千切れないように頑張った。
「この程度じゃ駄目かー……。そうだ!」
レミア先輩は、僕を抱えると、教室の隅の机に突っ伏している、黒髪の男の子の所へ向かった。
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